忍者ブログ
HOME > 作業風景の記事 Admin NewEntry Comment RSS  
自動車整備士の日々の作業風景、本音等々… 整備士の日常をその視点から徒然なるままに綴る日々の記録。
■カテゴリ「作業風景」の記事一覧

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

前回に引き続き、A/Tミッションの交換について、少し記事にしたいと思います。

マニュアルミッションとの大きな違いは、クラッチが無い事ですが、
それによって、クラッチ板の摩耗によるクラッチのO.Hが無くなって、
ユーザーにとっては、分解整備による出費が無い事。
それに、煩わしい操作が減る分、快適に楽に運転が出来るのは
大いなるメリットと言えますね。

ですが、その快適な機能を維持する為には、やはりメンテナンスは必要です。
 

PR

A/Tミッションがすっかり主流となった昨今、
マニュアルの様にラフな操作でのトラブルも無く、
メンテナンスを気にしないで乗ってる人も多いのではないでしょうか。

確かに、やんちゃな乗り方をしない限り、トラブルらしいトラブルも無く、
快適な操作性で、万人向けのミッションではありますが…

そこは機械、ノーメンテナンスとはいかないのですね。

DCF_0118.JPG      DCF_0119.JPG


エンジンオイルがどのように外に漏れないようになってるのか、
疑問に思ったことはないでしょうか?…

クランクシャフトがエンジン内から外に出てるからには当然オイルが漏れない
構造になってる訳で…これはエンジンに関わらず、自動車の構成部品には大抵
オイルシール、ダストシールと言われる物が付いています。

このオイルシールが劣化、摩耗する事によってオイル漏れが発生し、
酷くなると全く機能せずに、ベアリング、ギア等の焼き付きに至る訳です。

(左はフロントデフのサイドシール。右はオペルのカムシャフトシール。)
DCF_0067.JPGDCF_0084.JPG

恩師からの電話で再びオペルの冷却水が漏れているようだとの事…
何かと水廻りのトラブルが頻繁に起こるので、恩師も普段から
注意されて見ていたようです。

工業高校の先生だった恩師なので、機械の事にはかなり詳しく
除雪機、スクーター、それに車と、今まで事あるごとにお世話になっています。

最近はスクーターのフロントブレーキシューの交換で
お世話になったばかりだったのですが…
DCF_0084.JPG

 

ミッション交換に引き続き、同じ中古車販売店様よりエンジンの交換依頼を受けました。

今回の車はワゴンRです…最近滅多にエンジン交換をする機会も無いのですが…
そこは、さすが中古車屋さん…少しでも利益になるなら、廃車にするよりも直してしまうようですね。

DCF_0074.JPG
エンジンの調子が悪いとの事で、早速診させてもらったのですが…
3気筒エンジンのF6Aが、どうも一発死んでるようなそんな感じで…
吹けない、力が無い、アイドル不調の現象が出てました…
おまけに、排気温ランプの点灯もあって、不完全燃焼、或は生ガス
のマフラーへの排出があることを教えてくれてます。 
 

DCF_0069.JPG                                                                      




ミッションやデフといった、パワートレーンのトラブルは最近では少なくなりました。
これはあくまでも材質の不良や強度不足といった観点からなのですが…

しかし、オイル漏れやオイルの劣化が原因のトラブルは依然として多く、
そこには、メンテナンスの管理や消耗部品が深く関わっているのが現状のようです。

そんな中、オイル不足が原因のトラブルに遭遇しました。
これはマニュアルミッションなのですが、フロントドライブシャフトが入る部分、
フロントのデフにあたる部分のオイルシールからの漏れが原因のようです。
DCF_0067.JPG
このシールの漏れ自体はよくあるトラブルで、大抵の場合はシール交換で直ります。
ただ、漏れの程度が酷く、空の状態で走行を続ければ、当然摩耗によって生じる
ガタや焼付きなどによってミッション自体がダメになってしまうこともあるのです。

今回入庫したこの車はそれを如実に表しているトラブルです…

DCF_0055.JPG
ターボに関するトラブルは様々な要因が考えられるが、チューニングなどの
場合を除けば、圧倒的にオイル管理の不備が原因で引き起こされる事が多い…
要するにメンテナンスの怠りによって精密機械であるターボが悲鳴を上げるのだ。

オイル漏れの放置、水漏れの放置、エンジン不調の放置等は特に厳禁で、
これらの要因が直ぐにタービンブローに直接結び付かなかったとしても、
地味ではあるが、ボクシングで言うところのボディブローの様に、後から
ジワーっと効いてきて、ある日突然マフラーから白煙を吐いたり、異音がしたり
ブーストが掛からなくなったりするのである…

   車のメンテナンスと言うとまず頭に浮かぶのはオイル交換だろうか?…
   最もポピュラーで、誰もが最低限理解してると思われるDCF_0048.JPGメンテナンスの基本だろう。
ただ、分ってはいてもつい忘れがちになり、気付けば
1年以上も換えてないなんて事もあるのかも知れない…
では、いったい換えなければどうなるのだろうか?

春の到来で陽気につられ、遠出する機会も今後増えてくるだろう…頭の片隅にでもそっと、今回の記事を置いておくといいかも知れない。DCF_0049.JPG

画像は最近余り目にしなくなったシリンダーブロック内部のピストン頭頂部とシリンダヘッドの燃焼室側。


[1]  [2
プロフィール
HN:
Mr. Blue (ミスターブルー)
性別:
男性
職業:
自動車整備士
趣味:
PC、釣り、音楽鑑賞、ドライブ
自己紹介:
整備士歴20年を超えましたが、
常に修行の日々なのですね。
これでいいと言うレベルは無くて
経験も全て過去の物になります。
失敗から学ぶ事も多く正反対
の事が正しかったりする世界です。
ブログの感想、疑問に思った事、
知りたい事がありましたら、気軽に
コメント、メール等お寄せ下さい。
カウンター
ご訪問ありがとうがざいます。 もう直ぐ1年を迎えますが、 1日平均3~6人の方にお越し頂いています。少ない更新ではありますがお役に立てると嬉しいです。
お天気情報
アクセス解析
バーコード
自動車整備士徒然日記 作業風景 Produced by Mr. Blue (ミスターブルー)
忍者ブログ [PR]
透過フォトver2.0 Designed by ninja-blog.com