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自動車整備士の日々の作業風景、本音等々… 整備士の日常をその視点から徒然なるままに綴る日々の記録。
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ミッション交換に引き続き、同じ中古車販売店様よりエンジンの交換依頼を受けました。

今回の車はワゴンRです…最近滅多にエンジン交換をする機会も無いのですが…
そこは、さすが中古車屋さん…少しでも利益になるなら、廃車にするよりも直してしまうようですね。

DCF_0074.JPG
エンジンの調子が悪いとの事で、早速診させてもらったのですが…
3気筒エンジンのF6Aが、どうも一発死んでるようなそんな感じで…
吹けない、力が無い、アイドル不調の現象が出てました…
おまけに、排気温ランプの点灯もあって、不完全燃焼、或は生ガス
のマフラーへの排出があることを教えてくれてます。 
 


この場合、通常なら点火系の不良でミスファイアによるものが多く、プラグ交換、
或はコード、コイルと、どんどん上流に遡って行けば、解決するのが殆んどなのですが…

今回は3番コードを抜いても、エンジンのブレが変わらず、しかもプラグとコードは
中古車屋さんで交換済みとの事だったので、取り敢えず圧縮測定をしてみました…

1番、2番が数秒程で10キロ近くに到達するのに対し、3番だけは5キロにも
満たない状態でした。どうも3番シリンダーの圧縮不良のようです…
さて、バルブの密着不良なのか、ピストンリング或はシリンダーの摩耗なのか…
取り敢えず、今度はヘッドカバーを外してバルブ機構を診て見ます。

バルブクリアランスがきちんとあるかみて見ると、3番のクリアランス
がありません…これでは圧縮漏れを起こしますが、問題は程度でしょうか…
暖機すると殆んどのエンジンはクリアランスが変化しますから、キロ数から見たら
この程度のバルブの摩耗は仕方のないところかも知れません…
問題は異常な圧縮不良です。
DCF_0075.JPG
クリアランスを規定値に調整して、バルブのスムーズな動きを確認します…
そして、再度圧縮を計るのですが…それでも何ら変化がありませんでした。
ここで注意しなければならないのが、混合気による燃焼室(シリンダー)の
洗浄作用でしょうか…
全く燃焼してない状況ならば、常にガソリンが燃焼室内に吹き付けられて、
シリンダー内の油膜が洗い落とされてしまい、リングとシリンダーの機密が
一時的に弱くなってしまうのです。
これでは正常な圧縮に至らない可能性もあり、燃料をカットした状態で暫く
クランキングしてオイルの潤滑を待ってみる事にします。
この時、直接シリンダー内に少量のエンジンオイルを入れると早く馴染むのです
が、プラグホールが斜めなので、諦めました。

十分にクランキングをした後に改めて圧縮測定してみますが、
やはり同じ状態でした。
点火系統のトラブルではないかと疑っていた中古車屋さんに、
取り敢えず状況を説明して、中古エンジンの交換が安上がりとの結論で、
ここで一旦作業を終えて、エンジン交換の部品の手配に移りました。
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プロフィール
HN:
Mr. Blue (ミスターブルー)
性別:
男性
職業:
自動車整備士
趣味:
PC、釣り、音楽鑑賞、ドライブ
自己紹介:
整備士歴20年を超えましたが、
常に修行の日々なのですね。
これでいいと言うレベルは無くて
経験も全て過去の物になります。
失敗から学ぶ事も多く正反対
の事が正しかったりする世界です。
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