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タイミングカバーの隙間から、オイルがかなりの勢いで垂れて来る…
クランクシールかな?と思いつつ、カバーを開けて驚いた。
カムシャフトパッキンが落ちている…
左は脱落していた
カムシャフトパッキン。
部品価格は僅か200円程。
右はカムシャフトパッキンが脱落して、ポッカリと穴が開いたカムシャフトのエンド部分。
このエンジンはツインカムなのだが、ご覧の通りカム・スプロケットは
エキゾースト側のカムシャフトにのみ付いている。
ヘッドカバーの中でカムシャフト同士がギアで駆動されているのだ…よって、
インテーク側のカム・スプロケットが不要な為に、その穴を塞ぐ目的で、
パッキンが挿入されていて、そのパッキンが脱落したと言う事だ。
何故脱落したのか?…エンジン内部には常に圧力が掛かっている。
油圧も掛かれば、ピストンリングから漏れる圧縮ガス、燃焼ガスなどがある…
しかし、これらは通常再び吸入空気と共に再燃焼される仕組みになっている。
よほどヒドイ圧縮漏れがない限り、パッキンを飛ばす程の圧力が掛かる訳ではない。
念の為にそのホース類がオイルかすで詰まっていないか調べてみる…
特に詰まってる様子も無く、エアが通るのを確認。
結局パッキンの経年劣化なのだろう…キロ数から見ても10万キロを超えてる事や、
初度登録から14年も経過している事を考えれば、ゴムの弾力も無くなって
油圧とエンジン内圧力によって脱落したと考えるのが妥当だろうか?…
それにしても、僅か200円程の部品の劣化によって、エンジンはもとより車自体の
存続も危ぶまれるような重大な事態に陥ってしまうのだから…機械というのは
本当に正直なものだ…人間様の懐具合など、まるで気にしてないかのように…
この車のお客さんは、まだ若い女性の方だったが…車の異常に直ぐに気付いて
正しい判断をしたのだと思う…想定外の大きな出費を抑えたのだから…
もし、自分がこのような状況に遭遇したらどうだっただろうか?…
整備士であるが故に、「ん?オイルスイッチの故障かな?」などと安易な判断の元
車も止めずに目的地を目指していたかも知れない…意外とそんなものなのだ。
きっと取り返しのつかない事態に陥って、その判断の甘さを後悔するのであろう…
淋しい懐を覗きつつ、「初心忘れるべからず」という言葉が、一瞬、脳裏をよぎった
そんなある日の出来事だった…
常に修行の日々なのですね。
これでいいと言うレベルは無くて
経験も全て過去の物になります。
失敗から学ぶ事も多く正反対
の事が正しかったりする世界です。
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